ホームページケア

プラス0.54%
2018年介護報酬改定率

来年2018年の介護報酬が改定率が大筋で決定されました。
結果として介護報酬の引き上げとなりましたが、これにより人手不足の解消や介護職員等の賃上げにはどのような影響があるのでしょうか。

更新日 -

このコラムは約4分30秒で読むことができます

2018年介護報酬改定率はプラス0.54%

大方の予想を覆すプラス改定

に行われた予算大臣折衝を踏まえ、2018年の介護報酬改定率は0.54%の引き上げとなりました。
診療報酬は全体でマイナス1.19%(本体部分はプラス0.55%、薬価等はマイナス1.74%)、障害福祉サービス等報酬はプラス0.47%となっております。
診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

多くの人が介護報酬が引き下げされると予想していたと思いますが、0.54%の微増とは言え嬉しい誤算と言えるのではないでしょうか。
これまで数か月にわたって介護報酬を引き上げたい厚生労働省と引き下げたい財務省による折衝が行われてきましたが、結果的に財務省が妥協した形になりました。

また、に介護関係の団体が計212万人分の介護報酬引き上げを求める署名と要望書が提出したことがこの結果につながったとも言えます。
http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg77.html
介護関係者自身が声を上げて訴え続けることが大事なのだと改めて感じます。

しかし、反対に介護報酬の引き下げを訴え続けていた団体の存在も忘れてはいけません。

プラス改定の賛成派と反対派

賛成派 反対派
厚生労働省 財務省
  • 全国デイ・ケア協会
  • 全国老人クラブ連合会
  • 全国老人福祉施設協議会
  • 全国老人保健施設協会
  • 日本介護福祉士会
  • 日本看護協会
  • 日本言語聴覚士協会
  • 日本作業療法士協会
  • 日本認知症グループホーム協会
  • 日本福祉用具供給協会
  • 日本理学療法士協会
  • UAゼンセン日本介護クラフトユニオン
  • 全国保険医団体連合会
  • 健康保険組合連合会
  • 国民健康保険中央会
  • 全国健康保険協会
  • 全日本海員組合
  • 日本経済団体連合会
  • 日本労働組合総連合会
プラス改定に対する賛成派と反対派

介護や看護関係の多くの団体や組合などがプラス改定に賛成しているのに対して、その他の大手の団体や組合等ではプラス改定に反対しています

健保連経団連連合等の団体は介護報酬と診療報酬の引き下げを求める要望書や意見書を厚労相に提出しています。
国の財政再建や国民の負担軽減などが主張のポイントとなっており、財務省側と似たような立場となっています。
平成30年度診療報酬改定に関する要請(経団連)
平成30年度診療報酬・介護報酬の改定について(健保連)

どちらが正しい、どちらが間違っているということには言及しませんが、立場が違えば主張することも異なるということでしょう。

改定のポイント

今回の改定では大きく4つの点がポイントとなっています。
平成 30年度介護報酬改定に関する審議報告の概要(厚生労働省)

  1. 地域包括ケアシステムの推進
  2. 自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
  3. 多様な人材の確保と生産性の向上
  4. 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保

特に2,3については介護人材の不足を勘案するものであって、人手不足解消に向けたプラス改定であることが(うかが)えます。

自立支援による需要の縮小

2の「自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現」ではリハビリテーションの強化やアウトカム評価の導入などによる自立支援や在宅復帰を推進することを目的としています。
これには介護サービス利用者を減らすという狙いがあるとも考えられます。

アウトカム評価という介護サービスに対する結果を評価する加算や目標未達成に対する減算を設けるという方向性になってきており、結果に対する評価をすることで介護サービスの質の向上が期待されています。
さらに、介護サービスの質の向上が自立支援や在宅復帰、重度化防止を促進することになり、介護サービス利用者の減少につながっていくものと考えられます。
介護サービス利用者という需要を縮小することが相対的に介護人材の不足を補うことになると言えます

また、介護サービス利用者が減れば必然的に介護報酬の抑制や介護給付費の予算削減にもつながるため、国の財政赤字を縮小させる点からも介護サービス利用者を減らすことが一つの施策となっていると考えられます。
1の「地域包括ケアシステムの推進」においても在宅介護や在宅医療を推進するといった側面があり、2と同様に介護サービス利用者を減少させる狙いも含んでいると言えます。

また、現在の介護保険制度は介護サービス利用者の介護度が高いほど介護限度額が高くなっております。
介護サービス利用者としては介護度が高いほうが多くのサービスを安く利用でき、介護事業者側としても介護報酬が高くなるということになります。
つまり、介護サービス利用者と介護事業者はともに介護度が高いほうがメリットがあり、反対に国としては介護給付費が膨らむためデメリットとなっていました。
このことを改善するためにも、アウトカム評価による介護サービスの質の向上で、自立支援や在宅復帰などのように介護度の低下を促すことを推進していると考えられます。

人材確保による供給の拡大

3の「多様な人材の確保と生産性の向上」は人材の確保を積極的に行い、介護人材という供給を拡大することで人手不足を改善させることが目的となっています。
また、技術革新とともに介護ロボットやICTなどの導入も進んでいくことから、これらを活用することで介護サービスの生産効率が向上することによる人手不足の解消や過重労働の軽減が期待されています。

このように介護サービス利用者という需要の縮小と介護人材という供給の拡大を同時に推進することで、人手不足問題の解決を目指していると言えます。

なお、前回の2015年度改定時の主なポイントとしては次の3点でした。
平成27年度介護報酬改定に関する審議報告(厚生労働省)

  • 中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化
  • 介護人材確保対策の推進
  • サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築

基本的な考え方としては前回の改定内容も今回の改定内容もあまり大差はなく、地域包括ケアシステム、サービス評価の適正化、人材確保などの方針を(とう)(しゅう)する流れになっていると言えます。

2018年4月までにやるべきこと

今回の改定が適用されるのはからになります。
それまでに改定内容の細かい点については個別に対応していくことが求められてきますが、人手不足である介護事業所にとっては人材確保が最重要と言えます。

今回の改定では介護ロボットやICTといった高度技術の導入による生産性の向上や効率化が推進され、人手不足解消のための一助になると期待されています。
ただし、介護ロボットの導入にはもちろん相応のコストがかかるため、資金力のある介護事業所は導入することができますが、反対に資金力の乏しい介護事業所は導入することが難しいでしょう。

しかし、これを逆手にとって考えると資金力の乏しい介護事業所にとってもチャンスととらえることもできます。
介護ロボット等にコストを費やす介護事業所は、その分他の点でコストカットしなければならない状況になってしまいます。
つまり、介護ロボット等に予算を使えば人材確保のための予算が減り、反対に介護ロボットを導入できない介護事業所は人材確保のために予算を使うことができるため、求人募集において他の介護事業所よりも優位に立つことができると言えます。

人材確保の方法としては次の3つのケースが考えられます。

  • 高齢者の雇用
  • 外国人の受け入れ
  • 若年層の雇用

高齢者の雇用(助成金の活用)

これまでは60歳で定年退職して現役を離れるという流れが一般的でしたが、近年では高齢者でも働く方が増えています。

高齢者の就業者数の推移
高齢者の就業者数の推移

高齢者の就業(総務省)
2016年の高齢者の就業者数は13年連続で増加の770万人に達して過去最多となっております。
に施行された高年齢者雇用安定法は高齢者が年金受給開始年齢まで働き続けられる環境を整備することを目的としており、とりわけ近年は一億総活躍社会ということが叫ばれていりことからも増加傾向が(けん)(ちょ)に表れています。

また、行政主導による高齢者雇用の推進として、ハローワーク等を通じて高齢者を雇い入れることによって次のような助成金が給付されます。

  • 高年齢者雇用安定助成金
  • 特定求職者雇用開発助成金
  • 高年齢者雇用開発特別奨励金

高齢者職員は業務範囲が限られてしまう場合もありますが、資金力の乏しい介護事業所にとっては利用する価値のある助成金制度と言えるでしょう。

外国人の受け入れ(外国人技能実習制度)

に施行された「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」の対象職種に介護が追加されました。
これにより介護業界においても外国人技能実習制度を活用して外国人の人材確保をすることができるようになります。

外国人技能実習生を受け入れる方法として、介護事業所が直接海外企業とやり取りをする「企業単独型」、組合等の団体が仲介の役割をもつ「団体監理型」の2つがありますが、おそらく団体監理型が主流になるのではないでしょうか。
外国人技能実習機構という認可法人が監理団体の許可や受け入れ事業所からの届け出の受理等を行う全体的な窓口になっており、監理団体の一覧も外国人技能実習機構のウェブサイトから確認できます。
許可監理団体(外国人技能実習機構)

あくまで技能実習生である点や言葉の壁などの懸念はありますが、外国人技能実習制度の活用が人材確保の一つの手段となります。
介護以外の業界でも人手不足対策として外国人の受け入れが積極的に行われているようです。

若年層の雇用(インターネットの活用)

高齢者の雇用や外国人技能実習生の受け入れによって人手不足を補うことができますが、体力的な面やコミュニケーション等において十分ではない可能性もあります。
また、高齢者職員自身がだんだんと介護を必要とする年齢になったり、外国人技能実習生の受け入れも最長で5年と定められていることから、長期間の雇用が難しいという懸念があります。

介護事業所側としてはなるべく長く働いてくれる人材であるほうが理想であるため、高齢者や外国人以上に若年層の雇用が最重要と言えます。
様々な求人方法がありますが、若年層に対しては次のグラフが一つのヒントになります。

主なメディアの利用時間と行為者率
主なメディアの利用時間と行為者率

ICTサービスの利用動向(総務省)
「ネット利用」の項目を見ると、若年層であるほどインターネットの利用率や利用時間が多く、60台になると大幅に減少しています。
このことから、若年層に対しては求人サイトの活用やホームページによる求人募集が効果的であり、反対に高齢者や外国人はあまりインターネットを利用しないため効果は薄いと言えます。

また、求人方法として折り込みチラシが一つの手段になりますが、「新聞購読」の項目を見ると若年層はほとんど新聞を読まないことがわかります。
このため、折り込みチラシも目にする機会がほとんどなく、折り込みチラシの求人広告は効果が薄いことが推測できます。
高齢者層においても年々新聞の購読が減っていることからも、折り込みチラシによる求人募集はあまり期待できないと言えます。

このように高齢者はハローワーク、外国人は技能実習制度、若年層はインターネットというようにターゲットをわけて適切な求人方法をすることが人材確保をする上で大切になってきます。

まとめ

現在の日本では、少子高齢化が進み生産年齢人口が減少しているため、介護業界だけでなく全産業において慢性的な人手不足が状態が続いています。
時点での失業率は2.7%で24年ぶりの低水準、有効求人倍率は1.56倍で43年ぶりの高い水準となり、人手が足りない状況を物語っています。
この人手不足の状況に対応するために、高齢者の雇用、外国人労働者の受け入れ、女性の社会進出、ロボットやICT、AIなどの先端技術の活用など様々な対策が実施されています。

人手不足ということは供給より需要が大きい状況であり、本来は介護事業者側にとってチャンスになるわけですが、現実は人手不足による廃業が増えている状況です
せっかく介護サービス利用者という需要があるのに、介護職員という人材を供給できないために結果として廃業するケースは非常に勿体ないです。

いくら介護報酬や制度の改定が行われても人手が足りない状況ではどうしようもありません。
人手不足による廃業や倒産などを回避するためにも人材確保が大前提となります。

了 - 2018年介護報酬改定率はプラス0.54%

介護コラム(2018年介護報酬改定率はプラス0.54%)をお読みいただきありがとうございます。
ご意見ご感想がある方はお問い合わせからお願いいたします。

  • はてなブックマーク

自社ホームページによる求人募集

求人を出しても応募者が集まらない状況にお悩みではないですか?

ホームページケアではホームページによる効果的な求人募集をするためのサービスを提供しております。

  • ホームページ作成(スマホサイト対応)
  • 検索順位対策(SEO)
  • ホームページ更新システム

サービス内容を詳しく見る

3事業所のみの地域限定サービス

ホームページケアは介護事業所向けのホームページ制作サービスを提供しております。
当サービスでは「1つの地域においてサービス種別ごとに3つの事業所のみ」の契約とさせていただいております。

例えば、茨城県つくば市でデイサービスを運営している介護事業者様と既に契約している場合、他のつくば市のデイサービスとは原則として契約不可とさせていただきます。
ただし、つくば市のショートステイなどの他のサービス種別であれば契約可能となります。

同地域で同サービスが競合しないようにするための地域限定サービスとしています。
下記からお客様の地域での契約枠が空いているかをお調べいただけます。

お客様の事業所のある地域はどこですか?
お客様の事業所が提供しているサービスはなんですか?
複数選択可

お客様の地域における空き枠状況は次の通りです。

対象地域
対象サービス
  • デイサービス
  • デイケア
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者住宅
  • 特別養護老人ホーム
  • 老人保健施設
  • グループホーム
  • ショートステイ
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 居宅介護支援
  • その他のサービスは別途お問い合わせください。

契約をご希望のお客様はお早めにご連絡ください。
ご連絡はお問い合わせフォームチャット、お電話にてお願いいたします。

×

チャット

ご利用について

ホームページケアをご覧いただき誠にありがとうございます!

ホームページケアでは介護施設専門のホームページ制作サービスを提供しております。

このチャットで担当者と話すことができます。
お困りの点がございましたらお気軽にご相談ください♪

名前やメールアドレス等の個人情報のご入力は必要ありません。
また、第三者にチャットの内容が見られることはありませんので、ご安心下さい。