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2018年介護報酬改定
上がる?下がる?

来年の2018年は介護報酬が改定されます。
介護報酬が引き下げられる場合は介護事業所の収益も下がる可能性があり、さらに介護職員の給料減や人手不足の悪化につながる危険性もあります。

更新日 -

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2018年介護報酬改定は上がる?下がる?

これまでの改定率

2000年に介護保険制度がスタートして以来、3年ごとに介護報酬の見直し改定が行われてきました。
来年の2018年は改定年度になります。

この介護報酬の上げ下げは介護事業所・施設の売上や収入に直結するため、介護事業所の経営に関わってきます。
介護報酬が上がれば向こう3年間は比較的安定した経営を目指せますが、反対に下がると経営不振に陥る危険性が高くなってしまいます。
特に昨今は介護事業所の廃業・倒産件数が増加傾向にあるため、介護報酬が引き下げられた場合はさらに倒産件数が増えることが予想されます。

まずはこれまでの介護報酬改定についておさらいしておきましょう。

これまでの介護報酬改訂率
改定年度 改定率 備考
2003年 -2.3%
2006年 -0.5% 2005に年前倒しで-1.9%
2009年 +3.0%
2012年 +1.2% 処遇改善加算分+2.0%
2015年 -2.27% 処遇改善加算分+1.65%
2018年 ? 2017年に前倒しで処遇改善加算+1.14%

2009年と2012年の改定では介護報酬が引き上げられましたが、この理由としては介護業界の人手不足が挙げられます。
この頃から人手不足問題が大きく取り上げられ、2008年に「介護従事者等の人材確保のための介護従事者の処遇改善に関する法律」が成立し、その流れに乗って翌年は大幅なプラス改定となりました。
2012年では介護職員処遇改善加算として+2.0%上乗せされていたので、それを除くと実質マイナスとなっていました。

まだ記憶に新しい2015年の大幅な引き下げも全体では-2.27%ですが、内訳をみると処遇改善加算分は引き上げ(+1.65%)となっています。
また、3年ごとの改定ではありませんが、2017年に前倒しで処遇改善加算分として1.14%引き上げられています。

このように人手不足に対応するためのプラス分は考慮されていると考えられますが、それ以外の点では基本的にマイナス改定になっているのが現実です。
2018年の改定では処遇改善加算分は前倒しで既に引き上げられているため、その分ほかの点を引き下げるということにもなりかねません
人手不足への対応分を除けば介護報酬を引き下げることが前提になっていると考えられますが、それには2つの理由があります。

介護報酬を引き下げる2つの理由

介護報酬を決定する要因は様々ありますが、大きく2つの理由があると考えられます。

  • 国の財政赤字問題
  • 介護業界の利益率が他産業より高い

国の財政赤字問題

ニュース等でもよく耳にしますが、現在の日本は財政赤字問題に悩まされています。
高齢化社会になり年金、医療、介護等の社会保障費が増大していることが、財政状況が悪化する一つの原因にもなっています。

財政状況を改善するためには社会保障費の削減や抑制をする必要があります。
これは介護分野についてももちろん当てはまるため、少なくとも介護保障費の伸びを抑制するためには、介護報酬を引き上げるのではなく引き下げることが求められてきます。

介護業界の利益率が他産業より高い

もう一つの理由としては、介護業界の利益率が高いことが挙げられます。
人手不足や低賃金などが社会問題になっている一方で、介護業界の利益率は他の産業に比べてかなり高い状況でした。

介護業界と中小企業の利益率の比較
年度 介護業界 中小企業
2013年 7.8% 2.2%
2014年 4.8% 2.87%
2015年 3.8% 3.15%
2016年 3.3% 3.18%

介護報酬の改定において参考とされるのがこの中小企業の利益率との比較です。
表のように介護業界は高い利益率でしたので、2015年の改定時では「中小企業と比較して利益率が高いから介護報酬を下げるべき」という意見が強かったために大幅引き下げとなりました(改定年度の前々年度の数字が参考とされます)。

その後、徐々に利益率は下がっていき直近では中小企業と大差ない数値となりましたが、サービス種別によってはまだ高い状況です。
訪問介護(4.8%)や通所介護(4.9%)などはまだ中小企業より高いため、居宅系サービスについては介護報酬を引き下げる理由になってしまいます
反対に、特別養護老人ホームなどの施設系サービスは中小企業よりも低い水準まで落ちてしまったため、今回は引き上げる可能性があるとも言えます。

このように介護報酬引き上げには財政問題と利益率の2つがネックとなっています。
利益率については中小企業とほぼ同じくらいに近づいてきているので、次回以降は理由としては当てはまらなくなる可能性が大きいですが、財政問題については高齢者が増えて社会保障費が増え続ける限り介護保障費引き下げの理由になってしまいます。

予算を握る財務省

介護業界で働く皆さんにとって、厚生労働省の役割についてはよく知っている方も多いと思います。
一言で言えば、介護保険制度の作成や改定など介護事業の仕組みを作っているのが厚生労働省です。

では、財務省の役割はどうでしょうか。
財務省は国の予算を管理する省庁であり、例えるなら株式会社日本の経理部署になります。

介護報酬改定においても、その予算を決定するのは財務省です。
厚生労働省は介護報酬を引き上げるためには、財務省を説得する必要があるわけです
反対に、財務省としては介護報酬を引き下げるために厚生労働省を説得します。
前述したように、財政赤字問題があるため財務省としては介護報酬を引き下げたいというのが本音です。

前回の2015年の改定時では、厚生労働省は当初1%程度の引き上げを求めていたようですが、それに対して財務省は4%程度の引き下げを求めていて、結果として-2.27%の引き下げとなりました。

介護報酬を引き下げたい財務省

財務省でに行われた財政制度分科会の配布資料の社会保障について(P63~79)から財務省側の考えが見えてきます。
平成30年度介護報酬改定の基本的考え方として、改革の方向性を次のように述べています。

平成30年度においても高齢化等による介護保険給付費の伸びや保険料負担の増が想定される中で、29年度には+1.14%の臨時改定を先行実施しており、この先行実施した改定分の保険料負担の増を極力抑制する観点から、平成30年度改定において報酬水準の引き下げや工程表に沿った見直し等に取り組む必要。

2017年にプラス1.14%の臨時改定をしたので、2018年はその分引き下げるべきである」と言っているわけです。
資料にはマイナス改定が必要ということもはっきり書かれており、これだけで財務省の引き下げたいという考えがわかりますが、その他にも訪問介護・通所介護(デイサービス)について次のようなことが書かれています。

  • 介護費用は大幅に増加しており平成19年度から27年度までで3.2兆円増加(+47.4%)。このうち2.1兆円(+65.0%)が居宅サービスとなっており、うち半分の+1兆円程度が訪問介護・通所介護の伸び。
  • このうち通所介護のサービスの受給者数は、高齢者数の伸びを大きく超えて増加しているが、受給者の要介護度には大きな変化がない。
  • 訪問介護と通所介護サービスについては、受給者数の伸び以外に一人当たりのサービス費用も増加。その内訳は処遇改善による加算等のほか、基本サービス費の増が要因。サービス1回当たり平均単位数は減少しており、単価の低いサービスが回数多く提供され結果として費用が増加している側面が伺える。
  • 介護サービス事業者の経営状況を見ると、サービスごとの収支差率においては、訪問介護や通所介護は良好な経営状況となっており、また、介護サービス全体で見ても中小企業の経営状況と比較して概ね良好な状況となっている。

訪問介護・通所介護(デイサービス)について、費用が増大している点や利益率が高い点などが取り上げられており、介護報酬を引き下げるようとしていることがわかります。
その他にも減算措置や報酬の上限設定など介護報酬を引き下げる、または引き上げないための論点が述べられています。

このように仮に厚生労働省が介護報酬を引き上げたいと思っていても、簡単に引き上げられるわけではありません。
予算を握る財務省を如何に説得できるかがカギになってくるでしょう。

まとめ

  • 国の財政赤字問題
  • 介護業界は中小企業より利益率が高い
  • 特に訪問介護や通所介護は高い
  • 2017年に前倒しで処遇改善加算分を既に引き上げている

以上のような点が介護報酬改定の引き下げの理由となるため、残念ながらマイナス改定となる可能性が高いと考えられます。
反対に引き上げの理由としては、人手不足の状況が改善していないため、さらなる処遇改善加算が必要ということが挙げられます。
介護以外の他業界においても人手不足の状況が続いることから賃金アップをする企業等も増えてきましたため、現時点で他業界よりも比較的賃金の低い介護業界が人手不足を解消するには他業界以上の賃金アップをしなければならないのは明白です。
改定率の決定は来月12月下旬の予定となっており、それまでに厚生労働省と財務省の激しい駆け引きがあることでしょう。

また、今回の改定では6年に一度の診療報酬とのダブル改訂であり、医療と介護の連携を推進している点からも診療報酬との兼ね合いも考慮されるのではないかと考えられます。
医療の現場でも介護業界と同様に医者や看護師が不足している状況のため、診療報酬を引き上げることが望ましいです。
今回紹介した財務省の資料に診療報酬のことについても述べられているので、興味のある方は合わせてご覧ください。

介護関係団体が212万の署名を提出(追記)

介護報酬のプラス改定に追い風となるかもしれない動きがありました。
介護関係の11の団体が合同で署名活動を実施して、に181万8898筆もの署名と要望書を関係3閣僚(安倍晋三首相、麻生太郎財務相、加藤勝信厚生労働相)に提出しました。
また、には介護職員たちでつくる労働組合が署名30万1213筆を提出しており、合計で約212万人分となる現場の声とともに介護報酬の引き上げを求めたことになります。
http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg77.html

212万もの署名は過去最多だそうですが、それだけ多くの現場で人手不足や経営の状況が(ひっ)(ぱく)しているということです。
この署名提出により、少しでも介護報酬が引き上げられることを願うばかりです。

改定率プラス0.54%(追記)

に政府は平成30年度の介護報酬改定率を0.54%引き上げることを大筋で決定しました。
人手不足問題の背景から、人材確保のための処遇改善部分が色濃く反映された模様で、大方の予想を良い意味で裏切る結果となりました。
診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

了 - 2018年介護報酬改定は上がる?下がる?

介護コラム(2018年介護報酬改定は上がる?下がる?)をお読みいただきありがとうございます。
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